2023/12/05

術前栄養状態、体重と術後アウトカムの関係

The Influence of Preoperative Nutritional and Systemic Inflammatory Status on Perioperative Outcomes following Da Vinci Robot-Assisted Thoracic Lung Cancer Surgery

J Clin Med (IF: 3.3; Q4). 2023 Jan 10;12(2):554.


【背景】
栄養は、多くの疾患経過のアウトカムに重要な因子である。
ロボット支援胸部手術robotic-assisted thoracic surgery (RATS)を行う非小細胞肺がん(NSCLC)患者の栄養状態と炎症状態が術後合併症へ及ぼす影響の関係について調査した。

【方法】
前向きコホート研究
2019-2021年に手術を行った107例のNSCLCが対象
栄養状態と炎症状態は、術前の血液検査とBMIを用いて評価した。

【結果】
BMIは27.5±4.4
BMIを基に29%が正常体重、43%が過体重、28%が肥満
平均の好中球/リンパ球比(NLR)は、2.16±0.85
血小板/リンパ球比(PLR)は、121.59±44.21
リンパ球/単球比(LMR)は、3.52±1.17
術中合併症もしくは出血、術後合併症、平均入院日数、胸腔ドレーン留置期間を増加はなかった。
炎症が高い状態、NLR>1.84は、術後合併症の増加と関連。これは単変量解析でのみであり、多変量解析では、得られなかった。

【考察】
BMIは術後合併症リスクを予測し得なかった。よって、体重が手術の妨げになるわけではない。