2023/10/18

急性期病院で、体力向上や有害事象を避けるために必要な活動量は?

Optimal dose and type of physical activity to improve functional capacity and minimise adverse events in acutely hospitalised older adults: a systematic review with dose- response network meta- analysis of randomised controlled trials

Br J Sports Med 2023;57:1272–1278. 


【背景】
急性期病院に入院した高齢者の耐久性向上と有害事象減少のための、身体活動の最適な量と種類を同定すること。

【方法】
2022年に4つのデータベースを検索。
急性疾患で入院した50歳以上を対象として、少なくとも1つ以上の活動をベースにした介入をした効果を検証したRCTを対象。
効果の推定(耐久性と有害事象の割合等)をランダム治療効果ネットワークメタアナリシスモデルで算出。

【結果】
19件の論文(3842例)が対象。
1日100METsのタスク(1日40分未満の軽度活動もしくは1日25分未満の中等度活動)は、急性期病院へ入院した高齢者の耐久性向上に最低限必要。
最適量は、159METs-min/day(70min/day未満の軽活動or40min/day未満の中等度活動)と推定された。
歩行は、最も有効な介入手段であり、最適量は143METs-min/dayで、高い根拠を示した(87.68%)
最小限必要な歩行量は、74METs-min/day(1日25分未満のスローペースの歩行)。
身体活動介入は、通常ケアと比べて、退院時の有害事象の割合が少なかった。

【考察】
このメタアナリシスは、病院において監視下での身体活動プログラムが中等度のエビデンスを示した。
25min/day未満のゆっくりとした歩行でも、耐久性向上や有害事象を最小限にするには十分な量である。