2023/10/20

DVT後の運動の効果 systematic review

Effect of exercise after a deep venous thrombosis: A systematic review

J Eur Acad Dermatol Venereol (IF: 6.17; Q1). 2023 Sep 20. doi: 10.1111/jdv.19523.


血栓後症候群(Post-thrombotic syndrome (PTS) )は、DVT後に共通した合併症であり、し身体症状、QOL、医療コストへ影響する。
身体的なエクササイズのような単純なライフスタイル介入は、PTS重症度を減少させ、QOLを向上させるかもしれない。
急性期もしくは慢性期DVT症例に対して、身体活動の直接効果や長期効果を評価した。

2007年から2022年の文献を検索。
文献は、評価項目にQOL、症状、PTSの重症度が含まれているものが対象。
論文の質は、GRADEチェックリストとPRISMAステートメントに沿って評価した。

10件の論文が対象。
7件のRCT、3件のコホート研究。
3種類の身体活動の種類とタイミングを同定した
1)DVT急性期の早期離床
2)DVT1年後の短期間運動
3)以前のDVT後のフォロー期間の延長した運動

早期離床は、QOL改善、疼痛軽減を示し、2年後のPTS症状の重症度を軽減させた。
長期間の監視下運動の結果、QOLを改善。加えて、静脈の症状(静脈不全)に対する有効な効果と筋機能の改善を得た。
身体活動によってPTSを悪化させたり、症状を悪化させるという報告はなかった。

DVT後の運動は、安全で、QOLを改善させ、疼痛緩和とPTS重症度の減少をもたらす。
個別運動プログラムの指導のようなライフスタイルへの介入は、DVT後の患者に対する補助療法となりえるかもしれない。
最適な運動プログラムや、成人もしくは小児のDVT後患者報告型アウトカムを改善させるかについては、今後の研究が必要。

2023/10/18

急性期病院で、体力向上や有害事象を避けるために必要な活動量は?

Optimal dose and type of physical activity to improve functional capacity and minimise adverse events in acutely hospitalised older adults: a systematic review with dose- response network meta- analysis of randomised controlled trials

Br J Sports Med 2023;57:1272–1278. 


【背景】
急性期病院に入院した高齢者の耐久性向上と有害事象減少のための、身体活動の最適な量と種類を同定すること。

【方法】
2022年に4つのデータベースを検索。
急性疾患で入院した50歳以上を対象として、少なくとも1つ以上の活動をベースにした介入をした効果を検証したRCTを対象。
効果の推定(耐久性と有害事象の割合等)をランダム治療効果ネットワークメタアナリシスモデルで算出。

【結果】
19件の論文(3842例)が対象。
1日100METsのタスク(1日40分未満の軽度活動もしくは1日25分未満の中等度活動)は、急性期病院へ入院した高齢者の耐久性向上に最低限必要。
最適量は、159METs-min/day(70min/day未満の軽活動or40min/day未満の中等度活動)と推定された。
歩行は、最も有効な介入手段であり、最適量は143METs-min/dayで、高い根拠を示した(87.68%)
最小限必要な歩行量は、74METs-min/day(1日25分未満のスローペースの歩行)。
身体活動介入は、通常ケアと比べて、退院時の有害事象の割合が少なかった。

【考察】
このメタアナリシスは、病院において監視下での身体活動プログラムが中等度のエビデンスを示した。
25min/day未満のゆっくりとした歩行でも、耐久性向上や有害事象を最小限にするには十分な量である。

2023/10/05

急性期入院 HAD発症率30%

Prevalence of Hospital-Associated Disability in Older Adults: A Meta-analysis

J Am Med Dir Assoc (IF: 4.67; Q2). 2020 Apr;21(4):455-461.e5.


【背景】
入院関連機能障害(HAD)は、急性入院中のADL低下と定義され、高齢者に認められる。
目的は、急性期ケアに入院した高齢者のHADの有病率を決めることと、有病率が中等度の場合の研究初年度の影響を評価する事。

【方法】
メタアナリシスデータは、無作為化試験、準実験的、前向きコホート研究を対象とした。
英語でリサーチを行い、2018年2月から2018年5月までの電子データベースから団策。
開始時とくらべ、退院時のADL2点以上低下しており、高齢者のADL低下予防ついて報告する
対象は急性期ケアに入院した65歳以上の高齢者。。本研究に含まれたのは7365例。

【結果】
ADL自立は、Katz indexとBathel Indexで評価。

【結果】
本研究の含まれた参加者をサブ解析行うと、HADは30%で罹患していた。
研究初年度の予防率は最小であった。
研究間には大きな不均一性が認められたが、非標準的なADLの測定や方法論的な違いが生じている可能性がある。

【考察】
急性期ケアに入院すると、高齢者の機能障害のリスクが高まる。
このリスクは、短期間の間には変化しない。