2023/08/25

COPD急性増悪後のリハの効果(respir med2009)

Effects of early inpatient rehabilitation after acute exacerbation of COPD

Respir Med (IF: 3.42; Q2). 2009 Oct;103(10):1526-31.


【背景】
後方視コホート研究
COPD急性増悪から回復した患者の早期リハビリテーションの実用性と臨床的な効果について検証した。

1826人の入院患者(男性73%、年齢70歳、%FEV1.0 50%)
15セッションの呼吸リハを完了した患者を、増悪前のMRCスコア(2-5)で分類
リハ前後の6MWDの変化、終了時の息切れ(Borg)、QOL(SGRQ)を評価。

6MWDの変化はMRC毎に
MRC2ー52m
MRC3ー65m
MRC4ー63m
MRC5ー70m

MCIDの54mを達成した患者の割合は、
MRC2ー40%
MRC3ー55%
MRC4ー57%
MRC5ー61%

リハ後の6MWD≧350mを達成していた患者はの割合は、MRC4、5で高かった(18%、22%)

AECOPD後の早期呼吸リハは、息切れ重症度と独立して、運動耐容能の意味のある改善と関連していた。

介入後、歩行距離が350mを超えていた患者の割合は、息切れが重症な患者で多かった。

2023/08/18

進行した肺がん患者の身体活動とQOLの関係

Assessing the Correlation Between Physical Activity and Quality of Life in Advanced Lung Cancer

Integr Cancer Ther (IF: 3.28; Q3). 2018 Mar;17(1):73-79.


【背景】
身体活動(PA)を向上させることは、肺がん患者(LC)において、安全で有効である。
進行したステージのLC患者においては、研究が不足しており、症状やQOLが悪化している。
進行したLCに対して、歩数モニタリングの可能性とPAとQOLの潜在的な相関関係について評価した。

【方法】
前向き観察研究。進行したステージのLC患者39例。
1週間以上歩数を計測(Fitbit Zipを使用)し、QOL、息切れ、抑うつスコアを評価。
スペアマンのランクテストを使用して相関を評価。
相関係数は、(ρ) >0.3もしくは<-.03(それぞれ高い、低いと相関あり)を有意な相関とした。

【結果】
83%の患者が参加に興味を示し、このうち67%がデバイスのアドヒアランスが得られ参加した。
デバイスを使用した症例(n=30)では、平均歩数は、4877歩/日。より高い平均歩数は、高いQOLと相関(ρ = 0.46)、身体的(ρ = 0.61)、役割(ρ = 0.48)、感情機能(ρ = 0.40)。
より低い抑うつ(ρ = -0.40),、息切れ (ρ = -0.54),、疼痛(ρ = -0.37) とも相関。

【考察】
携帯型のPAモニタリングは、進行したLC患者での使用可能であった。
このPA研究に参加した患者は、興味深いことに、その他PA研究のアドヒアランスと比べて高かった。
これらのデバイスを活用することは、より高い歩数がより高いQOLや息切れ、疼痛、抑うつ症状の緩和と相関している。
進行したLC患者におけるウェアラブルデバイスを使用したPAモニタリングの研究が今後必要である。