2022/08/01

動作時低酸素のみのILD患者に酸素投与はHRQOL改善と関連

Effect of ambulatory oxygen on quality of life for patients with fibrotic lung disease (AmbOx): a prospective, open-label, mixed-method, crossover randomised controlled trial

Lancet Respir Med (IF: 30.7; Q1). 2018 Oct;6(10):759-770.


【背景】
線維性肺疾患において、動作時息切れは健康関連QOLと強く関連している。息切れは、しばしば酸素不飽和と関連しているが、動作時酸素の使用についてのデータは少ない。
目的は、動作時低酸素のある間質性肺疾患患者のHRQOLと動作時酸素の影響について検討すること。

【方法】
AmbOxは前向き、オープンラベル、複合法、クロスオーバー、ランダム化比較試験。
イギリスのILDの3施設にて実施。
適格患者:18歳以上、線維性肺疾患、安静時低酸素は無く6MWTにて88%以下へ低下がある、過去2週間で呼吸器症状が安定している
参加者は1:1でランダムに酸素療法と酸素療法なしに振り分け2週間、他にクロスオーバーし、2週間実施。
ITT解析を使用
プライマリーアウトカム:the King's Brief Interstitial Lung Disease questionnaire (K-BILD)の酸素使用と酸素不使用で2週間後の変化

【結果】
2014年から2016年に84人の患者がランダム化し、41人がまず酸素療法、43人が酸素無しに振り分け。
76人がトライアルを完了させた。
酸素無しと比べて、動作時酸素療法はK-BILDのtotalスコア、息切れ、活動の著明な改善と関連。
しかし、心理的ドメインでは影響なかった。
最も共通した有害事象は上気道感染であった。
最も重大な有害事象5件のうち、2件の死亡があったが、治療との関連は考慮されなかった。

【考察】
動作時酸素は、動作時低酸素のあるILD患者のHRQOL改善と関連しており、治療オプションとしてこれらの患者群には有効であろう。
今後の検討が必要である。