2022/06/24

CPFEの肺機能の特徴(pure IPFとの比較)

Combined pulmonary fibrosis and emphysema: How does cohabitation affect respiratory functions?

Adv Med Sci (IF: 3.29; Q3). 2019 Sep;64(2):285-291.


【目的】
気腫合併肺線維症(CPFE)は線維化と気腫化を特徴とした新たに出現した症候群である。
気腫化の重症度が肺機能、運動耐容能、死亡率に及ぼす影響について検討した。

【方法】
IPF患者(n=110)を対象。
視覚的デジタル気腫化スコア、肺機能、肺動脈圧、6MWT、複合的生理学指数(composite physiologic index:CPI)、生存状況を記録。
気腫化のある患者とIPFのみの患者で比較。

【結果】
CPFEグループは、男性が多く、BMI、低PaO2、肺動脈圧高値、動作時低酸素が著明。
CPFEグループは、FVCが高く、1秒率、DLCO、DLCO/VAが低かった。
CPFEグループの肺容量はVC、FRC(機能的残気量)、RV(残気量)、RV/TLC、TLCが有意に高かった。
気腫化スコアと相関が得られた:FVC、FEV1/FVC、DLCO、RV/TLC、FRC、RV、TLC、RV/TLC。
死亡率はどちらのグループも同等。
CPFE患者の死亡の独立した予測因子は、CPI(p=.02)と肺動脈圧(p=.01)。

【考察】
気腫化の存在と重症度は、IPFの肺機能に影響する。
CPFEのある患者は、DLCOが低下しており、エアートラッピング(空気のとらえこみ現象)がより重度、筋力低下があり、動作時低酸素が著明、肺高血圧がみられた。
CPIと肺高血圧は、CPFE患者の独立した2つの死亡を予測する因子であった。

※CPI=91.0-(0.65×%DlCO)-(0.53×FVC%predicted)+(0.34×FEV1%predicted)
線維化の範囲を反映する指数(Am J Respir Crit Care Med . 2003 )