Ann Surg Oncol (IF: 5.34; Q2). 2021 Nov;28(12):7120-7146.
【背景】
術前の心肺運動負荷試験(CPET)が、がんの手術を行う患者の術後のアウトカムを予測するかについてのエビデンスは混在している。
このレビューの目的は、術前CPETの値と術後合併症、入院日数、QOLとの関係を調べること。
【方法】
MEDLINE, Embase, AMEDを用いて、2020年4月に検索。術前CPET値(最大酸素摂取量、AT、CO2換気量(VE/VCO2))と術後アウトカム(合併症、入院日数、QOL)との関係について検討した論文が対象。
バイアスリスクは、QUIPSツールを用いて評価。
ランダム効果モデルメタ解析は、可能であれば実施した。
【結果】
52件の文献、10030人の患者が対象
全体的に、多くの研究でバイアスのリスクが低かった。
術前peakVO2が高いと、術後合併症が少なく(mean difference [MD]: 2.28; 95% confidence interval [CI]: 1.26-3.29)、呼吸器合併症が少なかった(MD: 1.47; 95% CI: 0.49-2.45).
術前ATとVE/VCO2も、いつかポジティブな傾向を示した。
今回の文献にはネガティブは結果は報告されていなかった。
【考察】
このシステマティックレビューとメタアナリシスは、術前CPET値が高いこと、特にpeakVO2が高いことは、より良好な術後アウトカムと関連していた。
がん患者に、術前に運動耐容能を評価することは、治療の意思決定を援助できる可能性がある。