Respirology (IF: 6.42; Q1). 2021 Aug 26. doi: 10.1111/resp.14137.
【背景】
IPF患者は日常身体活動レベルが低下している。しかし、疾患の進行でどの程度身体活動量が変化するかはあまり知られていない。
目的は、
1)12か月通じて身体活動の変化を追跡する
2)疾患重症度やQOLのマーカーとの関連を調べる
3)予測ツールとして身体活動評価が有用か
【方法】
54人のIPF患者が対象。
ベースライン、6ヶ月後、12か月後に7日間連続して身体活動計(SenseWear armband)を装着。
評価項目:HADS、SGRQ、Leicester Cough Questionnaire、FVC、DLCO、6MWDをそれぞれの測定時に実施。
【結果】
ベースラインの歩数3887歩、12か月後の歩数3326歩
歩数(平均-645歩、p=.02)と総エネルギー消費(平均-486Kj、p=.01)は12か月後に著明に減少。
12か月後の歩数の減少は、肺機能の減少よりも大きな割合。
身体活動の年次変化は、%FVCと6MWDの年次変化と中等度の相関(range r = 0.34-0.45)。
身体活動の変化は、長期生存率と関連しなかった。
【考察】
IPFにおいて、12か月の身体活動の減少は、肺生理学的な低下と比例しない有意なものであり、疾患進行度の評価ツールとして有効かもしれない。