Physiotherapist advice to older inpatients about the importance of staying physically active during hospitalisation reduces sedentary time, increases daily steps and preserves mobility: a randomised trial
Journal of Physiotherapy (2019) 65(4) 208-214
<背景>
理学療法士による入院中の身体活動の重要性についてのアドバイスが、活動性、移動、筋力、入院日数、合併症に影響するかについて検討。また、入院中の高齢者の活動の妨げとなっているものを見つけることを目的とした。
<方法>
ランダム化試験、Intention To Treat解析、検査者ブラインド。
68人の60歳以上、大学病院に入院している患者。
通常ケアに加えて、介入群では、入院中の悪影響と入院中に活動的であることの重要性に関するブックレットを配布。
対照群は通常ケアのみ。
アウトカムは、入院中の加速度計で測定した身体活動量。
移動能(mobilty)は、the de Morton Mobility Index (DEMMI)で評価
筋力は、握力で評価
入院日数と合併症は記録から検索。
入院中の活動の妨げに関しては、質問票で調査。
<結果>
2群間で活動量の差が、974歩/日示され、介入群の方が有意に多かった(95% CI 28 to 1919)。
介入群は、中等度強度の身体活動が向上しており、安静時間が減少していた。しかし、これらは些細な効果かもしれない。
介入群で、入院中に移動能力を失ったのは、対照群の参加者(35人中10人)に比べて約1/5であった(33人中2人)。相対リスク0.21(95% CI 0.05 to 0.90).
筋力、入院日数、合併症に関して、2群間での違いは明らかではなかった。
患者の報告した入院中の活動の制限は、息切れ、スペースが無い、感染症への不安であった。
<考察>
高齢入院患者において、PTが入院中の身体活動を維持することに関するアドバイスは、入院中の身体活動レベルを向上させ、移動能力低下を予防する。
・対象基準
60歳以上、入院48時間以内、介助なしで移動可能、アドバイスを理解できる、評価に参加できる(MMSEで判定)
・除外基準
隔離患者、予定手術入院、医学的にベッド上安静が必要、緊急手術を受けた、加速度計を装着できない(皮膚の問題や切断など)
・ブックレットの内容
テキストとイラストで、入院中の活動の重要性と効果について説明。加えて、患者が入院中の身体活動を向上させるべきであることを記した。
PTはこのブックレットを用いて、口頭で20分説明。