Effects of low-load/high-repetition resistance training on exercise capacity, health status and limb muscle adaptation in patients with severe COPD: a randomized controlled trial
Chest (IF: 8.308; Q1). 2020 Dec 11;S0012-3692(20)35357-5.
<背景>
運動量は、レジスタンストレーニングにおいて生理学的適応の程度に最も重要である。
しかしながら、重症COPD患者において、慣習的な2肢低強度/高頻度レジスタンストレーニングでは、息切れによって制限され、結果として、最適でない運動量となっている。
1回の運動セッションにおいて、単肢の低強度高頻度レジスタンストレーニングは、2肢のトレーニングと比べ、換気負荷が少なく、ローカライズされた運動量の増加が得られる。
<リサーチクエスチョン>
重症COPD患者において、単肢の低強度高頻度レジスタンストレーニングが、2肢の運動と比べ、運動耐容能(6MWD)、健康状態、筋機能、四肢筋肉内反応により効果的であるか。
<方法>
33人の患者(66±7 years; FEV1 39±10% pred)が対象。
無作為に8週間の単肢or2肢のトレーニングを実施。
6MWD、健康状態、筋機能は、両グループで比較。
大腿四頭筋の生検で生理学的な反応を調べた。
<結果>
単肢運動は、2肢と比べ、6MWDの大きな改善は得られなかった(Δ14 [-12 to 39m].)
しかし、単肢グループの73%は、MCIDである30mを超えて改善していた。2肢グループでMCIDを超えていたのは25%であった(p=0.02)。
健康状態と筋機能は、両グループとも同じように改善。
トレーニング中、単肢グループは2肢グループと比べて、運動中の息切れが有意に軽減していた(-1.75, p=0.01)。
しかし、運動量の著明な増加は得られなかった(+23%, p=0.179)
大腿四頭筋のクエン酸合成酵素活性(+19%, p=0.03)、 ヒドロキシアシルコエンザイムAデヒドロゲナーゼ蛋白質レベル (+32%, p<0.01)、毛細血管繊維率 (+41%, p<0.01)が、全患者においてベースラインと比べて増加していた。
<考察>
単肢運動は、2肢運動と比べ、平均6MWDを著明に増加させなかった。
しかし、動作時息切れの減少と、臨床的に優位な6MWDの改善を多くの患者で得られた。
運動様式に関わらず、低強度高頻度レジスタンストレーニングは、運動耐容能、健康状態、筋持久力、いくつかの筋内生理学的適応の改善が得られ、COPDの四肢筋機能異常の負の関連を減少させた。