2019/03/15

入院時身体機能と入院中の転倒予測(SPPBカットオフ5点)

Functional Performances on Admission Predict In-Hospital Falls, Injurious Falls, and Fractures in Older Patients: A Prospective Study.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/29314249

J Bone Miner Res (IF: 6.314) 2018 May;33(5):852-859.

<背景>
転倒は、高齢入院患者で多く、病院にとって大きなチャレンジである。
身体機能障害と転倒に関連があるにも関わらず、パフォーマンス機能が入院での転倒や有害事象を伴う転倒を予測するかは知られていない。
目的は、入院時や入院後すぐにいくつかの機能的な検査を行い、転倒や有害事象を伴う転倒を見つけるための正確性や予測可能であるかを検討すること。

<方法>
スイス、ジュネーブの総合病院に入院した807人の患者。
評価は、入院時から3日以内に実施
評価項目は、SPPB、簡易版Tinettiテスト(バランス評価?)、TUG
入院中の転倒はインシデントレポートやカルテを参照

<結果>
在院日数中央値は23日。189人の患者で329回の転倒があった。
161件が有害事象を伴う転倒で、そのうち24件は重篤なものであった
入院中に転倒した患者は、転倒が無かった患者と比べて、入院時のパフォーマンステストが悪かった。
SPPBのみが、重篤な有害事象を伴う転倒を予測する唯一のものであった

<考察>
SPPBで評価して、機能的パフォーマンスが悪いことは、入院中の転倒を予測する唯一のものである。
この結果は、入院中の転倒を予防する計画をサポートし、病院において機能的な状態をルーチンに評価することを支持する。


・けがを伴う転倒:打撲傷、擦過傷、裂傷、捻挫、疼痛、頭部外傷など
・重篤な有害事象を伴う転倒:骨折、縫合が必要な裂傷、脱臼、頭蓋内出血など

・入院時SPPB:転倒無し群平均4.0点、転倒あり群2.1点
・SPPB5点未満は転倒を予測(感度88.6%、特異度41.5%)