Low income as a determinant of exercise capacity in COPD
Chron Respir Dis. 2019 Jan-Dec;16:
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30449156
<背景>
運動耐容能は、COPD患者の臨床的なアウトカムである。呼吸リハの様な特異的な介入効果や疾患の影響を評価する。
運動耐容能は、COPDの進行度を判定し、健康機関の利用や健康関連QOLと関連している。
フィールドウォーキングテストと心肺運動負荷試験(CPET)は、運動耐容能を評価する2つの方法である。6MWTは最も一般的で簡便なフィールドテストである。CPETは最大酸素摂取量の評価に有利な評価。
運動耐容能に影響するのは、年齢、性別、息切れ、肺機能である。
これまでの研究で、社会的状態もまた運動耐容能に関連している可能性が示唆されてきた。
目的は、社会的状態が、COPDの運動耐容能に独立した関連因子であるかを検討すること。
<方法>
国家肺気腫データベース(NETT)を利用して分析を行った。
患者申告の所得で30000USドル(約340万円)未満と以上の2グループに分けた
<結果>
低所得患者は、6MWTの結果が悪かった。
年齢、性別、肺機能、息切れ、生活環境を調整した重症COPD患者の6MWTと所得の間に独立した関連を認めた。
過去の報告で、1つ運動耐容能と所得の関係を報告していた。
<考察>
今回の大規模の重症COPDコホートを対象にした結果から、所得と運動耐容能の関係を示した。
今回の結果は、COPD患者を評価するときに所得が健康の社会的規定要因であることを示した重要な報告である。
ーーーーーーーーーーーーーー
お金がないと、治療やリハビリが受けられないことなどが原因の背景にありそう。
2018/11/28
2018/11/20
超高齢患者の急性入院中の運動介入は安全で効果的か?
Effect of Exercise Intervention on Functional Decline in Very Elderly Patients During Acute Hospitalization
A Randomized Clinical Trial
JAMA Intern Med. Published online November 12, 2018.
https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/2714300
<背景>
機能の低下は、急に(acutely)入院した高齢患者でよく生じている。
運動と早期リハビリテーションプロトコルを急性期入院中に実施した場合、機能的、認知的機能の低下を防ぐことができると考えた。
<目的>
入院患者に革新的な複数の内容の運動介入を行う効果を検証すること。
<方法>
単施設、単盲検、臨床試験を2015年から2017年にスペインの急性期病院で実施。
合計370人の超急性期患者が無作為に運動群とコントロール群(通常ケア)に分けられた。
<介入>
コントロール群:必要時に身体的リハビリテーションを実施。
運動群:中等度強度の筋トレ、バランスex、歩行を1日2回実施。
<主なアウトカム>
プライマリーエンドポイントは、Bathel IndexとSPPBのベースラインと退院時の変化量。
セカンダリーエンドポイントは、認知機能、QOL、握力、せん妄の発生、在院日数、転倒、転院、退院後3ヵ月の再入院率と死亡率
結果>
平均年齢87.3歳、女性56.5%
入院期間は中央値8日。介入日数中央値は5日。
介入期間中に新たなイベントの発生は無かった。運動介入は、通常ケアよりも大きな効果が得られた。
退院時、運動群は通常ケア群よりもSPPBが2.2点向上しBathel Indexは6.9点改善していた。
入院は機能障害を引き起こし、通常ケア群で-5.0点の減少があり、運動介入によってこの傾向は回復した。
運動介入はまた、SPPBを改善した。認知機能においても、通常ケアよりも1.8点改善していた。
<考察>
運動介入は、安全であり、急性入院した超高齢患者の機能低下を回復する効果があることが示された。
・通常ケア:通常のケアを行い、必要に応じてリハビリ介入。
・介入群:1日2回(AM/PM)、1セッション20分を連続5-7日(週末含む)
運動メニューは”vivifrail”(http://www.vivifrail.com/)のプログラムを取り入れた。
・AMセッションの内容【監視下トレーニング】
抵抗運動(1RM30-60%を8-10回2-3セット。スクワットや起立、レッグプレスなど)
歩行、バランス練習(タンデム立位、継ぎ足歩行、バランスマットなど)
・PMセッションの内容【非監視下トレーニング】
抵抗運動(重錘など軽負荷での運動)
歩行:病棟廊下を使用
・185人ずつが解析対象。
平均年齢87歳、BMI26
疾患:高血圧、心不全、脂質異常症、変形性関節症、不整脈、COPD、慢性胃炎/逆流性疾患、慢性腎不全、尿失禁
MMSE23点、握力17kg
・Bathel Indx、SPPBともに介入群の方が優位に改善を認めた。
・MMSE、抑うつ、QOL、握力は、介入群の方が優位に改善。
・入院日数、入院中の転倒、3か月の再入院、死亡率、転機は有意差無し。
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運動介入は、身体機能やADLにポジティブな影響を与え、安全に実施された。
A Randomized Clinical Trial
JAMA Intern Med. Published online November 12, 2018.
https://jamanetwork.com/journals/jamainternalmedicine/fullarticle/2714300
<背景>
機能の低下は、急に(acutely)入院した高齢患者でよく生じている。
運動と早期リハビリテーションプロトコルを急性期入院中に実施した場合、機能的、認知的機能の低下を防ぐことができると考えた。
<目的>
入院患者に革新的な複数の内容の運動介入を行う効果を検証すること。
<方法>
単施設、単盲検、臨床試験を2015年から2017年にスペインの急性期病院で実施。
合計370人の超急性期患者が無作為に運動群とコントロール群(通常ケア)に分けられた。
<介入>
コントロール群:必要時に身体的リハビリテーションを実施。
運動群:中等度強度の筋トレ、バランスex、歩行を1日2回実施。
<主なアウトカム>
プライマリーエンドポイントは、Bathel IndexとSPPBのベースラインと退院時の変化量。
セカンダリーエンドポイントは、認知機能、QOL、握力、せん妄の発生、在院日数、転倒、転院、退院後3ヵ月の再入院率と死亡率
結果>
平均年齢87.3歳、女性56.5%
入院期間は中央値8日。介入日数中央値は5日。
介入期間中に新たなイベントの発生は無かった。運動介入は、通常ケアよりも大きな効果が得られた。
退院時、運動群は通常ケア群よりもSPPBが2.2点向上しBathel Indexは6.9点改善していた。
入院は機能障害を引き起こし、通常ケア群で-5.0点の減少があり、運動介入によってこの傾向は回復した。
運動介入はまた、SPPBを改善した。認知機能においても、通常ケアよりも1.8点改善していた。
<考察>
運動介入は、安全であり、急性入院した超高齢患者の機能低下を回復する効果があることが示された。
・通常ケア:通常のケアを行い、必要に応じてリハビリ介入。
・介入群:1日2回(AM/PM)、1セッション20分を連続5-7日(週末含む)
運動メニューは”vivifrail”(http://www.vivifrail.com/)のプログラムを取り入れた。
・AMセッションの内容【監視下トレーニング】
抵抗運動(1RM30-60%を8-10回2-3セット。スクワットや起立、レッグプレスなど)
歩行、バランス練習(タンデム立位、継ぎ足歩行、バランスマットなど)
・PMセッションの内容【非監視下トレーニング】
抵抗運動(重錘など軽負荷での運動)
歩行:病棟廊下を使用
・185人ずつが解析対象。
平均年齢87歳、BMI26
疾患:高血圧、心不全、脂質異常症、変形性関節症、不整脈、COPD、慢性胃炎/逆流性疾患、慢性腎不全、尿失禁
MMSE23点、握力17kg
・Bathel Indx、SPPBともに介入群の方が優位に改善を認めた。
・MMSE、抑うつ、QOL、握力は、介入群の方が優位に改善。
・入院日数、入院中の転倒、3か月の再入院、死亡率、転機は有意差無し。
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運動介入は、身体機能やADLにポジティブな影響を与え、安全に実施された。
2018/11/07
EQ-5D-vasの呼吸リハ前後のMCID(8points)
Estimation of Minimal Clinically Important Difference in EQ-5D Visual Analog Scale Score After Pulmonary Rehabilitation in Subjects With COPD
Respir Care 2015;60(1):88 –95.
http://rc.rcjournal.com/content/60/1/88
<背景>
呼吸リハの効果を the EuroQol Group’s 5-dimension questionnaire (EQ-5D)で評価したものは少ない。加えて、EQ-5DのVASで評価した場合(EQ-VAS)と矛盾した結果が報告されている。
目的は、呼吸リハでのEQ-VASの反応性を評価することと、臨床パラメーターと機能的パラメーターの関係を検討し、呼吸リハ後のEQ-VASのMCIDを算出すること。
<方法>
安定期の中等症から重症のCOPD患者で3週間の呼吸リハを行った468人の患者を対象に後方視的に抽出。
EQ-VASを呼吸リハの前後で評価。また、ベースラインと呼吸リハ前後の肺機能と6MWDの変化、BDI/TDIを評価。
アンカーベースとROC曲線を使用。呼吸リハ後のTDIのMCIDを達成した患者のEQ-VASの変化のカットオフを算出した。
<結果>
439人の患者が呼吸リハ前後のEQ-VASを評価できた。呼吸リハ後、EQ-VASは58±17から72±15に上昇。
EQ-VASの変化(⊿EQ-VAS)はベースラインの1秒量と負の相関を示し、TDIと6MWDと正の相関を示した。
TDIのMCIDを達成するEQ-VASのカットオフは8であった(AUC:0.845)。
<考察>
入院中の中等症から重症COPD患者において、EQ-VASは呼吸リハの効果を反映する妥当性のあるツールである。推定MCIDは8ポイント。
EQ-VASは、より評価に時間のかかるQOL評価に置き換わることができる実用的な評価である。
・EQ-5Dとは
5つの質問項目(移動、セルフケア、日常生活、疼痛/不快感、不安/抑うつ)と20㎝のVASからなる健康関連QOL評価
安定期COPDや増悪時のCOPD患者のQOLを評価できるツール
・EQ-VASとは
EQ-5DのVASの点数。0点(健康状態が悪い)から100点(健康状態が最高に良い)で評価。
Respir Care 2015;60(1):88 –95.
http://rc.rcjournal.com/content/60/1/88
<背景>
呼吸リハの効果を the EuroQol Group’s 5-dimension questionnaire (EQ-5D)で評価したものは少ない。加えて、EQ-5DのVASで評価した場合(EQ-VAS)と矛盾した結果が報告されている。
目的は、呼吸リハでのEQ-VASの反応性を評価することと、臨床パラメーターと機能的パラメーターの関係を検討し、呼吸リハ後のEQ-VASのMCIDを算出すること。
<方法>
安定期の中等症から重症のCOPD患者で3週間の呼吸リハを行った468人の患者を対象に後方視的に抽出。
EQ-VASを呼吸リハの前後で評価。また、ベースラインと呼吸リハ前後の肺機能と6MWDの変化、BDI/TDIを評価。
アンカーベースとROC曲線を使用。呼吸リハ後のTDIのMCIDを達成した患者のEQ-VASの変化のカットオフを算出した。
<結果>
439人の患者が呼吸リハ前後のEQ-VASを評価できた。呼吸リハ後、EQ-VASは58±17から72±15に上昇。
EQ-VASの変化(⊿EQ-VAS)はベースラインの1秒量と負の相関を示し、TDIと6MWDと正の相関を示した。
TDIのMCIDを達成するEQ-VASのカットオフは8であった(AUC:0.845)。
<考察>
入院中の中等症から重症COPD患者において、EQ-VASは呼吸リハの効果を反映する妥当性のあるツールである。推定MCIDは8ポイント。
EQ-VASは、より評価に時間のかかるQOL評価に置き換わることができる実用的な評価である。
・EQ-5Dとは
5つの質問項目(移動、セルフケア、日常生活、疼痛/不快感、不安/抑うつ)と20㎝のVASからなる健康関連QOL評価
安定期COPDや増悪時のCOPD患者のQOLを評価できるツール
・EQ-VASとは
EQ-5DのVASの点数。0点(健康状態が悪い)から100点(健康状態が最高に良い)で評価。
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