2017/10/02

IPFの身体活動減少と相関するものは?

 Clinical Correlates of Reduced Physical Activity in Idiopathic Pulmonary Fibrosis

 Respiration 2016;91:497–502
https://www.karger.com/Article/FullText/446607


<背景>
特発性肺線維症(IPF)の身体活動性(PA)についてあまり知られていない。

<目的>
IPFの身体活動レベルを調査すること、肺機能や運動耐容能、症状、QOLと身体活動との関連について調査すること。

<方法>
臨床的に安定しているIPF患者を対象。身体活動は加速度計を使用して1週間計測。その他の評価項目は、肺機能(FVC,DLCO)、6MWT、息切れ(mMRC)、疲労感(MFI-20)、QOL(SF-12,SGRQ)

<結果>
48人のIPFを2施設で確保。
単変量解析では、全ての変数が、1日の歩数と関連していた。1日の歩数とmMRC,MFI-20,SF-12,6MWDは肺機能の低下と独立して関連している。多変量解析にて、6MWDもしくはMFI-20は、1日の歩数を独立して予測した。

<結論>
疲労感と運動耐容能は、IPF患者のPAを独立して予測し、この評価をIPF患者のPAを評価するときに、測定すべきであることが示唆された。


・対象の特性;年齢67.1歳、男性75%、BMI27.9、ステロイド内服27.1%、抗線維化薬無内服47.9%、%FVC75.4%、長期酸素療法22.9%、6MWD355m、%DLCO43.1%、1日の歩数5017歩

http://www.karger.com/WebMaterial/ShowPic/508862
歩数と各評価の関係



ーーーーーーーーーーーーーー
6MWDで300mを下回ると、活動量は一気に低下していた。肺機能の低下をなるべく防ぎながら体力を維持していくことが最大の目標になりそう。