Respiratory Research (2016) 17:79
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4940941/
<背景>
特発性肺線維症(IPF)の急性増悪は、罹患率や死亡率に最も影響する原因である。しかし、急性増悪は、いまだに予測できない。この研究の目的は、IPFの急性増悪のリスクファクターを検討すること。
<方法>
後方視的にIPF患者を収集。急性増悪の診断は、ATS/ERS/JRS/ALATによるの2011年のステートメントを基に行った。
<結果>
65人が対象。フォロー期間は中央値2-6年。フォロー中、24人(36.9%)が急性増悪を経験。カプラン-マイヤー曲線で、急性増悪の罹患率を調べると、1年後9.6%、2年後19.2%、3年後31.0%であった。急性増悪は、生存率にも影響していた。log-rankテスト
では、ベースラインで冠動脈疾患、GAP index≧3、血清乳酸脱水素酵素≧180U/ml、血清サーファクタントプロテインD≧194.7ng/ml、気管支肺胞洗浄のサンプルで好中球≧1.77%、好酸球≧3.21%、免疫抑制剤の使用は、増悪と関連していた。Cox解析で、免疫抑制剤の治療の有無で補正すると、ベースラインの冠動脈疾患、GAP stage≧2、好酸球≧3.21%、が、IPFの急性増悪を予測した。
<結論>
ベースラインの冠動脈疾患、高いGATstage、高い好酸球の割合は、IPFの急性増悪の発生と関連していた。
・長崎大学と産業医科大学で行われたスタディ
・急性増悪の定義は、1)IPFと診断されている、2)30日以内で呼吸困難の悪化、3)HRCTで新たなすりガラス影の出現、4)感染、肺塞栓、気胸、心不全が否定される。
・年齢は、中央値69歳。13人は非喫煙者、42人は元喫煙者、10人は現喫煙者。生存年数は、最初に診察してから中央値で4.5年。
・ベースラインの%VCは増悪群で69.2%、非増悪群で81.0%(有意差なし)。%TLCは増悪群66.1%、非増悪群75.9%(有意差あり)
増悪を起こすまでの年数。5年以内に約半数が増悪している。
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急性増悪をおこせば、生存率は極端に下がる。 |
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感染予防策を徹底することくらいしか対策は無いかも。
これだけだと、リハでできることが全然ないことになる。
これに身体機能を加えるとどんな結果になるだろうか。