2017/07/22

CPFE、肺気腫、肺線維症の横隔膜の動きを比較

Diaphragmatic Motion Studied by M-mode Ultrasonography in Combined Pulmonary Fibrosis and Emphysema

2014 Aug;192(4):553-61.

https://link.springer.com/article/10.1007%2Fs00408-014-9594-5

<背景>
気腫と線維化が共存しているCPFEがある.この研究は,M-モードの超音波を使用して,CPFE,特発性肺線維症,COPD患者の横隔膜の動きを比較すること。.

<方法>
肺機能検査,好感度CT(HRCT),横隔膜の動きを評価.CPFE25人,IPF18人,COPD60人,健常者21人.横隔膜の動きは,安静呼吸と深呼吸時に,M-モードの超音波画像で評価した。

<結果>
安静呼吸時の左右の横隔膜に違いは無かった。一方、深呼吸では左右差があった。CPFE患者の横隔膜の動きは,4つのグループで最も小さかった。COPD患者(特に重症)は、IPFや健常者と比べると、横隔膜の動きは小さかった。深呼吸時の右横隔膜の動きは気腫化のスコアと負の相関にあった。しかし,HRCTの線維化のスコアとは相関がなかった。

<結論>
CPFE患者で、横隔膜の動きが小さいことが明らかになった。CPFE患者の横隔膜の動きの制限の要因の一つは、線維化でなく気腫化だろう。M-モードで深呼吸時の横隔膜の動きを評価することは、CPFEの診断ツールや、IPFやCOPDと区別することに有用かもしれない。

・137人が対象(内訳はCPFE25人、IPF18人、COPD60人、健常者21人)。中国の大学病院でのスタディ。
・横隔膜の動きの評価方法:仰臥位で測定。前下方の冠状面の肋骨下の右側にアプローチ。安静呼吸と深呼吸時の横隔膜の移動距離を静止画で評価。3回測定して最良値を採用。

・CPFEの肺機能:%FVC 71%、%DLCO 44%
・IPFの肺機能:%FVC 70%、%DLCO 69%
・COPD重症の肺機能:%FEV1.0 31%、

・4グループとも安静時の動きは変わりなし。深呼吸で有意差あり。

・深呼吸時の横隔膜の移動距離:CPFE:3.6cm、IPF:6.43cm、軽症~中等症のCOPD:5.2cm、重症COPD:4.4cm、

・深呼吸時の右横隔膜の動きは、気腫化スコアと負の相関。線維化のスコアとは相関なし。


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横隔膜が動きにくい=腹式呼吸の指導には適さない。
ちなみに、身体所見の打診では、横隔膜の可動性は2~3横指と言われている。
横隔膜が動いているという事と呼吸筋疲労の関連はあるんだろうか。