2017/02/01

運動中にEPAPを付加すると動的肺過膨張が減少する

Effects of Expiratory Positive Airway Pressure on Dynamic Hyperinflation During Exercise in Patients With COPD

Respir Care 2012;57(9):1405–1412.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/22348429

 

背景

EPAPは非侵襲的陽圧換気療法の形の1つで、吸気中の吸気筋力の低下にも関わらず吸気閾値の負荷が減少しているかもしれずCOPD患者において、呼気時の動的気道内圧の減少と、呼気流速の制限を減少させるかもしれない。運動中のCOPD患者において、EPAPの効果を考えた

 

方法

非無作為化試験で、EPAPの有り無しの2種類の運動行った。トレッドミルでの運動前と終了直後に肺気量を測定動的肺過膨張が生じていた患者(運動前後で吸気予備量が少なくとも15%減少)をフェイスマスクでEPAPを使用して追加して同様の運動を実施した。プライマリーアウトカムはICの分散を2種類の運動で比較

 

結果

46人の対象患者平均年齢65歳中等度から重度のCOPD17人(37%)に動的肺過膨張が認められた。運動前後を比較するとEPAPを使用したときにICが大きく減少していた

 

結語

EPAPを使用することで動的肺過膨張が減少し、運動後のCOPD患者の肺気量がより減少していた

 

・プロトコル

・トレッドミルで運動テストを行った。運動中、安定して行うためのサイドバーを使用することを認めている。プロトコルは、5分間のフォームアップ(1.5km/h)を行い、その後0.5km/hずつスピードアップして、息切れのBorgが3-6になるところまで上昇このスピードを維持して運動時間が合計20分になるまで実施20分完遂できなかった対象者は除外している。

EPAPはフェイスマスクを着用。あらかじめ測定しておいた5-10cmH2Oで実施

・運動後のICを比較すると、EPAPありの方がICが大きかった(27.7% vs 38.1%)

・呼気終末肺気量は、EPAPありの方が低かった=残気量が少なかった。

 

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NPPVだとCPAPモードでするほうが、持続的に陽圧がかかってるし、呼吸同調する必要もないのであれば、やりやすいかも。これが日常活動や症状の軽減に反映されれば。。。