2016/12/01

併存症のある外来COPD患者に標準的リハを行った効果

Efficacy of standard rehabilitation in COPD outpatients with comorbidities

Eur Respir J 2010; 36: 1042–1048

 

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/20413540

 

前向き研究では、多くの併存症を確認している。特異的な併存症や併存症の数が増えることが独立して呼吸リハを実施するCOPDのアウトカムの低下と関連しているかどうかを評価した。

 

316人の外来患者(平均年齢68歳)を対象。アウトカムは併存症MCIDの確立されている評価(6MWD:54mMRC:-1SGRQ;-4点)

 

62%の患者に併存症があり。高血圧(35%)脂質異常症(13%)糖尿病(12%)冠動脈疾患(11%)が最も頻度が多かった。

これらの患者のうち45%が、すべてのアウトカムでMCIDを達成ロジスティック回帰モデルで、ベースラインの6MWD(OR0.99p=0.001)MRC (OR 12.88、p1=0.001)、動脈血CO2分圧( (OR 1.08、p=0.034)が、6MWDとMRCの改善した患者の割合と相関していた。骨粗鬆症の存在は6MWDの改善度合いを減少させていた (OR 0.28、p=0.006)。

 

外来呼吸リハを行っているCOPD患者で、併存症が多く存在していることが分かった患者の身体障害と骨粗鬆症の存在のみがリハアウトカムの低下と独立して関連していた

 

4つのイタリアのリハセンターの患者を対象最近増悪した患者など安定していない患者は除外

・併存症は The Charlson index を入院時に記録。年齢で補正せず、COPDはスコアに含めない

3つのグループに分類 0:関連した疾患が無い1:1つの関連した疾患がある、2:2つ以上の疾患がある

・呼吸リハは、外来にて週31セッション3時間のものを、21セッション(7週間)実施内容は標準的な活動(骨格筋トレーニング教育胸部理学療法心理面、栄養カウンセリング)を行い理学療法士がプログラムのすべての活動中均等に指導を行った

・アウトカム:6MWTmMRCSGRQをリハ前後で比較その他評価は肺機能動脈血ガス

・結果、併存症スコアは平均2.6点6MWDは併存症が多くなると若干短くなっている。

・併存症の割合a)は1つの併存症b)は慢性併存症の集計

・多変量解析でMCIDに影響する因子

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

併存症があってもMCIDを得られる程度の効果があった。この対象はベースラインが高かったため、MCIDに届かない患者が多く、頭打ちの可能性もあるかな。