2016/03/19

間質性肺炎の大腿四頭筋

Quadriceps strength and endurance in fibrotic idiopathic interstitial pneumonia
Respirology. 2014 Jan;19(1)

背景
大腿四頭筋機能異常はCOPDの運動制限に寄与するものとして重要であるが、特発性間質性肺炎(IIP)患者において骨格筋機能と運動耐容能の影響についてはあまり知られていない。この研究の目的はIIP患者と健常者における大腿四頭筋力と運動耐容能を比較することである。

方法
大腿四頭筋力と持久力は呼吸筋力と同様に、6分間歩行距離は25人のIIP患者で比較し、%FVC78.7%、%DLCO40.3%、年齢を補正した33人の健常者も無意思で測定した。大腿四頭筋力は大腿神経磁気刺激(大腿四頭筋単収縮力)を使用して測定し、持久力は5分以上の大腿四頭筋への神経刺激を繰り返して筋力低下の反応を使用した。

結果
両グループを生体測定学的、性別、呼吸筋力で比較した。患者はコントロール群と比べて、著しく四頭筋力が低下していた。大腿四頭筋力:10.1kg VS 8.0kg。繰り返しの刺激に対する大腿四頭筋持久力は患者の方が、著しくまた速く低下していた。コントロール群は、PaO2と吸気筋力だけが6分間歩行距離と独立して相関を保持していた。

考察
大腿四頭筋力と持久力は健常者と比べて、IIP患者のほうが低下していた。しかし、運動能力との相関は僅かであった。

筋力↓

持久力↓


――――――――――――
COPDと同様に大腿四頭筋力は良い指標になる。筋力=耐容能ではないが、活動するためのベースとしては必ず必要だと思う。
印象的には、IPの方がCOPDに比べて筋力も持久力も改善しにくい。特に低酸素に容易にさらされるようになってHOTが開始になれば維持していくのも難しい。
HOT開始になる前にどれだけ高いレベルで運動機能が保てるかが勝負か。