Lung Cancer. 2012 May;76(2):248-52.
Population
StageⅢB、Ⅳの再発転移(手術不能)NSCLC患者118例
平均年齢61±10歳、BMI26 6MWD 396m
Exposure
運動機能評価:6MWT
運動習慣(行動):自己記入式で評価(the leisure score index (LSI) of the Godin Leisure-Time Exercise Questionnaire (GLTEQ))
(LSIとは・・ 通常の1週間での軽度、中等度、高強度の活動を質問し、それぞれの強度ごとに平均的な頻度、時間を調査する。総運動時間、各強度ごとの運動頻度を算出。単位はMETs-hour/week.)
3METs:軽度、5METs:中等度、高強度:9METs
Comparison
運動機能と運動習慣、生存との関係について解析
PS2以上と未満に分けて、6MWDと運動習慣の生存予測への寄与を評価するCOXモデルを構築
Outcome
運動機能、運動習慣、生存期間
フォロー期間は、中央値26.6カ月。この間に77例が死亡(65%)
6MWDを3分位すると、中央値283m(90-356.8m)、中央値416m(358.5-450m)、中央値510m(452-640m)。
6MWDは生存の独立した予測因子であり、50m改善するごとに、死亡リスクは13%減少
6MWD<358.5mと比較した、調整された危険率(adjusted hazard ratio)は、358.5-450mは0.61、450以上は0.48
運動行動(身体活動)と予後に関連は示されr、9MWTs-hour/week未満は12.89カ月、9METs-hour/week以上は25.63カ月生存していた。
新規性:6MWDのよう運動機能評価が、これまでリスク因子とされていたもの(PS)よりも生存を強く予測した。
運動機能評価が、有効ないくつかの理由
・PSでは測定できない、ATP合成のためのO2輸送および心血管系と骨格筋系の統合能力を評価しており、この酸素輸送効率は、人間が健康を長く維持するために重要な要素の一つである。
・運動のエンドポイント(最大酸素摂取量や6MWD)が、心血管系など様々な臨床現場で利用されており、全死亡原因を強く予測しカットオフポイントも報告されている。
・運動能力評価は、治療介入にもなり得る
9METs-hour/weekとはどのくらい?
週合計で9METsの身体活動
・普通のウォーキング(4.0km/h 3METs 30分 週6日)
・毎日ラジオ体操(4.0METs 15分 週6日)+軽いスクワット(3.0METs 20分 週3回)
これなら習慣になればできそうな気もします。
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運動能力評価と合わせて身体活動の評価も重要である
9METs-hour/weekは、実現可能な感じもするが、6MWD380mというのは絶妙に活動能力が変わりそうなラインな印象(動けなくはないけど、ちょっと運動能力は低い方かな)。