PLoS One (IF: 3.24; Q2). 2023 Jan 20;18(1):e0274585.
【背景】
呼吸数増加と呼気制限は動的肺過膨張(DH)を誘発し、胸腔内圧の上昇により静脈還流の悪化に関連し、1回拍出量(SV)や心拍出量(CO)へ悪影響を及ぼしているかもしれない。
COPDにおいて、運動に対する循環の適応不良がDHと関連しているのか、心血管能力自体が低下しているのか明らかになっていない。
COPD患者の一部のみが運動中の動的肺過膨張を呈している。
【方法】
肺のメカニズムと心血管の変化を示すために、運動中の動的肺過膨張のある、もしくは無いCOPD患者を対象として、新たに研究を設定した。
33人の同じ重症度と左室駆出率のCOPD患者を対象とした。
非侵襲的なデバイスを用いてthe left ventricular ejection time index (LVETi) を含む心血管パラメーターと運動中の最大吸気量(IC)を測定した。
【結果】
21人のCOPD患者がDHを呈しており、12人はDHは無かった。
最大負荷時と安静時の差を計測した。
ΔSVとΔCOはDH無しグループのほうが高かった
(ΔSV: non-DH 9,7 ± 13,22 ml vs. DH -3,6 ± 14,34 ml, p = 0.0142;
ΔCO: non-DH 2,26 ± 1,46 l/min vs. DH 0,88 ± 1,35 l/min, p = 0.0024).
LVETi はどちらのグループでも違いはなかった
最大負荷時の酸素運搬能(DO2)は、DH無しの方が高かった。
【考察】
COPDにおいて、運動時の心血管系の運動適応は低いことは、運動時の肺過膨張が関連している可能性があると結論付けた。