2023/02/02

身体活動レベル向上に特化した呼吸理学療法の費用対効果

Respiratory physiotherapy interventions focused on exercise training and enhancing physical activity levels in people with chronic obstructive pulmonary disease are likely to be cost-effective: a systematic review

J Physiother (IF: 7; Q1). 2021 Oct;67(4):271-283.


【疑問、方法】
COPD患者の呼吸リハの費用対効果について検討。
1997年から2021年までにパブリッシュされた臨床研究と並行した経済評価についてのシステマティックレビューを実施。
レビュアーは独立して適格基準、除外基準をスクリーニングし、方法の質について評価した。
COPD患者を対象。
呼吸理学療法は、ERSのカリキュラムの呼吸理学療法を行ったものと定義。

【アウトカム】
金額単位で表されるコスト、疾患特異的QOL、質調整生存年数(QALYs)、金額の効果量

【結果】
11本のRCT、3261人が対象
介入は、呼吸リハビリテーション、気道クリアランステクニック、疾患管理プログラム、早期退院支援プログラム、入院呼吸理学療法
メタアナリシスでは、報告された介入の異質性(不均質性)が広いため、無関係であると考えられた。
合計で45の増分費用対効果比(ICER)が抽出された。
経済的な視点に関わらず、全QOL関連ICERsの67%、QALY関連ICERsの71%が、北東部もしくは南東部に位置していた。
6つの研究において、QALY獲得あたりの費用対効果と比較した場合、費用対効果があるとみなすことができた。

【考察】
身体活動レベルを高めることを加えた運動療法に特化した呼吸理学療法介入は、QOL獲得やQALYs獲得あたりの費用対効果があることを示した。
費用対効果の推定には、介入種類の強度やアウトカム評価、比較対象など異なるため、いくつかの不明確なものが存在する。