2019/12/06

肺切除後の肺機能とシャトルウォーキングテストの回復

The Effect of Lung Resection on Pulmonary Function and Exercise Capacity in Lung Cancer Patients

Respir Care 2007;52(6):720 –726

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/17521461

<目的>
肺がん患者で、肺機能と運動耐容能(シャトルウォーキングテスト)において肺切除の影響を調査すること。

<方法>
肺葉切除(73人)もしくは一側肺切除術(37人)の前、1カ月後、3か月後、6か月後に肺機能検査とシャトルウォーキングテストを実施。
全患者は標準的な後外側開胸術を実施。
88人の患者が全3回の術後評価を完了した。

<結果>
切除後6ヵ月で、葉切除術患者は術前FEV1.0の15%を喪失し、運動耐容能は16%減少。
一側肺切除患者では、FEV1.0の35%、運動耐容能の23%を喪失。

<考察>
葉切除患者において、機能回復が著明に減少しており、肺機能と運動耐容能の間に同様の低下を認めた。
一側肺切除術患者では、より大きな機能的回復の減少が見られており、肺機能と相対的な運動耐容能の減少は不均衡であった。
したがって、肺機能テストの値からは、一側肺切除患者では運動耐容能の減少を大げさに予測するかもしれない。
これは、肺切除を必要とする多くの肺がん患者で周術期合併症のリスクに対する備えに必要である。しかし、長期間の運動耐容能に関しては不明である。

・全患者は標準的な後外側開胸術を実施。術後理学療法は、呼吸練習と早期離床をそれぞれの患者に実施。

    

    



2019/12/03

COPD増悪入院後の4m歩行速度は再入院を予測する

Gait speed and readmission following hospitalisation for acute exacerbations of COPD:a prospective study

Thorax (IF: 9.64) 2015 Dec;70(12):1131-7.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/26283709

<背景>
COPD急性増悪(AECOPD)による入院は、再入院の高いリスクと関連している。しかし、退院時に再入院リスクのある患者を選別するための妥当なツールは無い。

<目的>
4m歩行速度(4MGS)が、フレイルの指標の代用となるか、COPD増悪入院した患者の将来の再入院リスクの予測ができるかについて評価すること。

<方法>
213人のAECOPDで入院した患者が対象。
4MGSは退院日に評価。
ロジスティック回帰モデルで4MGSと退院後90日の再入院の関係について検討。

<結果>
ベースライン特性:男性52%、平均年齢72歳、%FEV1.0 35%、退院時4MGS 0.61m/s
90日時点での全原因再入院率は、4MGSの4分位が下がると著明に増加していた(Q4 fastest: 11.5%; Q3: 20.4%; Q2: 30.2%; Q1slowest: 48.2%)
Q4と比べて、最も遅い4MGS(Q1)の90日の再入院のオッズ比は7.12倍、65歳以上では11.56倍。
65歳以上の再入院を予測する多変量モデルは4MGS、Charlson index、前年の入院、%FEV1.0、前年の増悪回数が含まれ、C検定で0.86。

<考察>
4MGSは身体フレイルの指標の代用となり、COPD増悪で入院した高齢者の再入院リスクを独立して予測する。

・4MGSは退院前24時間以内に実施
・通常の歩行補助具(杖や歩行器)、酸素などを使用

Figure 2
 (Q1≤0.40 m/s; Q2=0.40–0.59 m/s; Q3=0.60–0.79 m/s; Q4≥0.80 m/s). 

Figure 3
model1:年齢
model2:前年1回以上の入院
model3:4MGS
model4:4MGS+前年1回以上の入院
model5:多変量モデル(歩行速度、併存症、前年1回以上の入院、前年増悪回数、入院日数、身体活動、QOL)

ILD患者の呼吸リハの長期効果、短期効果2018

Short and long-term effects of pulmonary rehabilitation in interstitial lung diseases: a randomised controlled trial

Respiratory Research (2018) 19:182

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30236104

<背景>
間質性肺疾患(ILD)患者に長期的に呼吸リハを行い、長期間の効果を報告したものはいくつかある。
目的は、6ヶ月の呼吸リハを行なった後と、1年後の運動耐容能(6MWD)、最大運動負荷、QOL、大腿四頭筋力、身体活動量を評価すること。

<方法>
60人の患者が対象。無作為に6ヶ月の呼吸リハを行う群とコントロール群に分けられた。

<結果>
運動耐容能、QOL、大腿四頭筋力はコントロール群と比較して著明に改善。
効果は1年後も維持されていた。身体活動量は変わらなかった。

<考察>
呼吸リハは運動耐容能、健康状態、筋力を向上させる。
その効果は、1年のフォローアップでも維持されていた。身体活動量は変わらなかった。

・介入群
6ヶ月の外来呼吸リハを実施。
最初の3ヶ月は週3回、以降は週2回。計60セッション実施。
プログラムはガイドラインに沿って実施。
・プログラムは、運動療法(サイクリング、歩行、上肢、階段、骨格筋トレーニング)90分と教育、作業療法、栄養カウンセリング、心理サポートを30分。
・運動内容
サイクリングは最大負荷の60%から開始。歩行は、6WWTの最大歩行速度の75%から開始。Borg scaleをもとに、エルゴは最大負荷の85%、歩行は最大歩行速度の110%を目標に負荷を漸増。
階段は、2分間昇降
骨格筋は1RMの70%から開始。8回を3セット
PTは運動の監視と励ましを実施。
全患者が酸素吸入をしながら運動した。

ベースライン平均%FVC 約77%、平均6MWD約450m以上


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肺線維症患者の在宅リハの長期効果

Long-term evaluation of home-based pulmonary rehabilitation in patients with fibrotic idiopathic interstitial pneumonias

ERJ Open Res. 2019 Apr 8;5(2). pii: 00045-2019.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/30972352

<背景>
いくつかの研究で線維性特発性肺炎患者(fibrotic
idiopathic pulmonary pneumonia:f−IIP)へのリハビリの効果について検討されている。
本研究では、在宅での呼吸リハの効果について観察研究を行なった。

<方法>
112人の患者が参加(IPF61人、非特異的間質性肺炎51人)。65人は軽傷から中等症、(%FVC≧50%、%DLCO≧30%)47人は重症(%FVC<50%、%DLCO<30%)。
2ヶ月間、週1回の訪問で再トレーニング、教育、心理サポートを実施。
患者は個別のアクションプランを隔月で12ヶ月提供された。
評価は、運動耐容能(6分間ステップテスト6MST)、感情評価(HADS)、QOL
(Visual Simplified Respiratory Questionnaire (VSRQ))を開始時(T0)、直後(T2)、6ヶ月後(T8)、12ヶ月後(T14)に実施。

<結果>
6MST、HADSの不安スコア、VSRQスコアはT0と比較してT2、T8、T 14で著明に改善。アウトカムの改善は疾患の重症度やサブタイプに影響されなかった。
介入を全て行えた患者は、ベースラインのFVCとDLCOがドロップアウトした患者よりも良好であった。

<考察>
在宅での呼吸リハは、f−IIP患者の運動耐容能、不安、QOLを長期的に改善させた。
呼吸リハは、これらの患者の治療の一部として体系的に処方されるベきである。

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長期間ステロイド使用しているILD患者の骨格筋、QOL、運動耐容能

Effect of long-term treatment with corticosteroids on skeletal muscle strength, functional exercise capacity and health status in patients with interstitial lung disease

Respirology (IF: 4.756) 2016 Aug;21(6):1088-93.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27173103

<背景>
ステロイドは間質性肺疾患(ILD)患者において時々使用されている。
慢性的なステロイド投与は骨格筋の衰弱を引き起こす。しかしながら、慢性的なステロイド使用が健常者よりも筋力低下しているILD患者にさらなる骨格筋の低下をもたらすかは知られていない。
目的は、ILD患者において慢性的なステロイド使用が骨格筋力、運動耐容能、ADL、健康状態に影響するかを検討すること。

<方法>
47人のILD患者がステロイドを処方されており、51人のMRC息切れスケールがマッチしたステロイド治療を行なっていないILD患者をリクルート。
評価は等尺性大腿四頭筋力(QF)、握力(HF)、肺機能、6MWD、ADLスコア、健康状態(SFー36)

<結果>
QFとHFはステロイド使用患者で著明に低下。
6MWD、ADL、SFー36はグループ間に有意差なし。
骨格筋力と総ステロイド投与量は逆相関していた。
多変量回帰分析において、総ステロイド投与量は独立して握力の予測因子であった。

<考察>
ILD患者において慢性的なステロイド治療は筋力低下を助長し、筋力低下は総ステロイド投与量と逆相関していた。

・前向き横断研究
・2008年から2013年に長崎大学病院でリクルート
・ステロイド治療は少なくとも1ヶ月の治療を実施
・ステロイドはプレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、コルチコステロイドをガイドラインや患者の状態に沿って使用
・平均1日投与量を計算(mg/day)し、投与期間で総投与量を計算(mg/day×期間,mg)
・筋力は、基準値と比較(%QF、%HF)

・多変量解析にて、%HFの予測因子は、ステロイド総投与量


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